<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 詠興五首 出府歸吾廬>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 府を出でてわが盧に歸る>
<BookPage: 331-333>
<UsedPage: 3>
<Feature: 1, 5>
<End Header>
<Poem>
出府歸吾廬，
靜然安且逸。
更無客干謁，
時有僧問疾。
家僮十餘人，
櫪馬三四匹。
慵發經旬臥，
興來連日出。
出遊愛何處，
嵩碧伊瑟瑟。
況有清和天，
正當疎散日。
身閑自爲貴，
何必居榮秩。
心足即非貧，
豈唯金滿室。
吾觀權勢者，
苦以身徇物。
炙手外炎炎，
履冰中慄慄。
朝飢口忘味，
夕惕心憂失。
但有富貴名，
而無富貴實。
<End Poem>
<Translation>
官を去ってわが家に帰り、身も心も安楽になった。 面会を求める客もなく、ときどき僧が病気見舞に来るだけだ。 十余人の家来と三、四匹の馬を養っている。 たいぎになると十日間もねており、気がむけば毎日あそびに出る。 あそびにゆくのはどこが気にいってるかといえば、緑いろ濃い嵩山である。 気候は清くなごやかで、そのうえひまときているのだ。 からだがひまだと自然に上品になる、官位が高くなくってもよいのだ。 心が満足していれば貧ではない、富は黄金を室に満たしているとは限らないのだ。 世の権力者を見ると、からだを物質の奴隷にしている。 うわべは手をかざすと熱いほどの威光だが、内心は薄氷をふむかのごとくびくびく。 朝は味もわからずにがつがつ食い、夜は物をなくしないかと心配ばかりだ。 これでは富貴の名ばかりで、富貴の実がないではないか。
<End Translation>
<Formatted Translation>
官を去ってわが家に帰り、
身も心も安楽になった。
面会を求める客もなく、
ときどき僧が病気見舞に来るだけだ。
十余人の家来と
三、四匹の馬を養っている。
たいぎになると十日間もねており、
気がむけば毎日あそびに出る。
あそびにゆくのはどこが気にいってるかといえば、
緑いろ濃い嵩山である。
気候は清くなごやかで、
そのうえひまときているのだ。
からだがひまだと自然に上品になる、
官位が高くなくってもよいのだ。
心が満足していれば貧ではない、
富は黄金を室に満たしているとは限らないのだ。
世の権力者を見ると、
からだを物質の奴隷にしている。
うわべは手をかざすと熱いほどの威光だが、
内心は薄氷をふむかのごとくびくびく。
朝は味もわからずにがつがつ食い、
夜は物をなくしないかと心配ばかりだ。
これでは富貴の名ばかりで、
富貴の実がないではないか。
<End Formatted Translation>